譲渡額
5億円~10億円
売上高
非公表

IT/システム/通信業界の事例

Surpass社のセルサイドFAとして、更なる成長のためのスタートアップM&Aを助言

エリア
関東
オーナー
40代
売却検討理由
事業の成長発展
スキーム
株式譲渡

松井 克成

株式会社ファイナンス・プロデュース

売手様は成長企業として大企業の顧客を多く有しながら業績を伸ばし、IPOも検討しておりました。

さまざまな選択肢を検討した結果、単独での成長よりも更なる成長加速を実現するためのM&Aを選択することとしました。

アドバイザーについては、「リピーターとなる買手寄り」と中小企業庁が指摘しているM&A仲介ではなく、売手の企業価値最大化に「必然的に専念」できるセルサイドFAとして弊社を選定いただきました。

創業者は経営者として引退を望んでいたわけではないので、経営基盤・顧客基盤がより強固で事業を一緒に成長させる事業パートナーを探すという背景でした。

複数の上場やPEファンド、未上場で急成長中のスタートアップなどを含めて様々なご関心を頂きました。

買手候補企業に過去に買収された創業者とのインタビュー機会を設けるなど、それぞれの企業とどのような未来が描けそうか比較検討し、無理に焦らず慎重に相手を選ぶご支援をしました。

結果として、東証プライム上場のM&A実績豊富で最適な事業パートナーと妥協しない経済条件で組むことができ、次なる成長のステージに立たれたことを大変嬉しく思います。

女性のキャリア支援に挑むベンチャーのM&A

ディールの概要を教えてください。

売り手様は「女性活躍という言葉を日本からなくす」をテーマに女性のキャリアを支援しながら、セールスフォースの導入や運用、 大企業のDX支援など、広い意味では営業DX、デジタルマーケティングといった領域に取り組む会社です。

買い手様は、タナベコンサルティングという東証プライムに上場している、歴史ある経営コンサルティング会社です。

IPOかM&Aか、悩むオーナーの選択

売り手様は、どのような不安や課題を抱えていらっしゃいましたか。

売り手様は、単独でIPOを目指し、ベンチャーキャピタルなどから資金調達も行っていました。しかし、現在の株式市場の状況や自社の事業を取り囲む市場環境を考慮した結果、単独でのIPOよりも、より強固な経営基盤を持つ企業のグループに入った方が事業を伸ばせるだろうと考えるようになったそうです。ただ、この選択が現実的に実現できるのか不安を感じており、ご相談をいただきました。

売り手様が検討されていた、M&Aを行い大きな経営基盤を持つ企業のグループに入って事業をさらに成長させる形は、弊社で過去にご支援した実績があったため、過去の経験も踏まえて色々とお話をさせていただくことができました。
ただ、その中でも様々な選択肢があるため、どのような選択をすべきか一緒に考えていくところからご支援させていただきました。

半年間の準備で最大化した価値

‐この案件で最も印象に残っているポイントを教えてください。

一つ印象に残っているのは、ご相談いただき、すぐにはM&Aに動かない方がいい経営状況であったため、約半年間の準備期間を設けたことです。
売り手様にも期待値を共有し、「今すぐM&Aに動くのではなく約半年後に目指す経営状況を実現できそうであれば待ちましょう」と提案しました。待つといっても全く動かなかったわけではなく、あえてゆっくりとM&Aに向けて準備を進め、一定の経営状況が整った段階で、一気に加速してM&Aを進めていく形でご支援をしました。結果的に、準備をしっかり行ったことが後の交渉の過程でも効いてきたたため、印象に残っているポイントの一つです。

弊社は売り手の価値の最大化に特化した、FAという業態で取り組んでいます。何社かお話しいただいた中で、最終的には3社が有力な買い手候補として残ったのですが、価格もしっかり競っていただきました。また、成長のためのM&Aであり、一緒になった後にどのようなストーリーで共に成長していくのかという点も重視したため、各会社と組んだ場合のメリット、デメリットも比較しながらご支援いたしました。このように丁寧にプロセスを踏んで進めたことに対して、最後に売り手様から感謝のお言葉をいただくことができ、この点も非常に印象に残っています。

株式会社ファイナンス・プロデュース 松井 克成 氏

この案件が成功した要因はどこにあると思われますか。

1つ目は、相談をいただいてすぐに売却を進めるのではなく、準備期間を設けながらタイミングを見極め、最も売却価値を最大化できるタイミングでM&Aを進めたことです。

2つ目は、買い手を選ぶ過程というのはお互いに辛抱強さが求められるものですが、丁寧にプロセスを踏んでできたことが成功の大きな要因の一つだと考えています。

3社競合の中で掴んだ最良のパートナー

‐売り手のオーナー様は、どのような点に最も満足されていらっしゃいましたか。

最終的に3社が有力な買い手候補として残ったのですが、中でも1社はもともと経営トップ同士のご関係があったことから、最有力とされていました。しかし、弊社は第三者として客観的な視点で、「その選択肢も非常に素晴らしいと思いますが、 急いで決めるのではなく、しっかり比較検討して決めていきましょう」と提案しました。

アドバイザーの場合は、早期の成約を重視して進めてしまうところがあると思います。その点、我々はそこをぐっと踏みとどまって比較して丁寧にプロセスを進めたことで、最終的に双方にとって 最もいいお相手が見えてきたことは、非常に良かったと思います。

M&A後も続く経営者の挑戦とつながり

‐M&A成立後のアフターストーリーをお聞かせください。

売り手の代表の方は、日本で女性と男性が平等に経営者としても成長していけるような環境を作っていこうと、ビジネスにおいてもプライベートにおいても取り組まれています。M&A成立後には、早速そのような経営者のコミュニティにお招きいただきました。

また、M&Aを考えたいという経営者様もご紹介いただいています。今回のM&Aにご満足いけたからこそ、こうしたお声がけをいただけていると感じていますし、大変感謝しています。

‐今後M&Aを考えている売り手様に向けてアドバイスをお願いします。

弊社はFAとして、 売り手様の価値最大化にコミットします。「買い手様にすごく激しい交渉をして怒らせてしまうのではないか」と、よく誤解されて心配される方もいらっしゃいますが、そのようなことはありません。我々は買い手様とも関係を築きながら、M&A後も上手く進めていけるようなサポートを心がけています。

弊社では成長を目指してのM&Aを、ご支援するケースが非常に多くなっています。M&Aを行い成長していくためには、買い手様とどのようなスタンスで交渉を行うかが、大事なポイントになります。もちろん経済条件も大事ですが、M&A後もうまく事業が進んでいくようなM&Aを目指してご支援しておりますので、ぜひお気軽にお声がけいただければ嬉しいです。