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売上高
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飲食業界の事例

スピード感が成約のカギ -飲食業界のカーブアウト案件-

エリア
関東
オーナー
非公表
売却検討理由
事業の選択と集中
スキーム
会社分割

澤 拓磨

TS&Co.グループホールディングス株式会社

スピードと調整力が成約の鍵

― ディールの概要について、教えていただけますでしょうか。

    飲食事業を幅広く営んでいる上場企業様が、子会社を同じ飲食業界の会社に売却した世間的に言えばカーブアウトといわれる案件です。
 規模感でいうと、約数十億円の案件だったと記憶しております。   


事業ポートフォリオの見直しによる決算対策としてスピードを重視

 ― M&Aに対する不安や課題を売り手様は抱えていたと思いますが、売り手様が抱えていた不安、課題はどのようなものだったのでしょうか?

  売り手様は飲食業界に特化して事業を幅広く展開しておりました。グループ全体の事業ポートフォリオの中でノンコア事業を売却するという形になりました。その中においての不安や課題の1つはスピードでした。 上場企業の連結決算に責任を負う社長様やCOOにとっては、売却をどのタイミングで実施できるか、その結果がPL(損益計算書)やバランスシートにどのように反映されるかというスピード感が非常に重要でした。2点目としては、グループからの借入金があったことです。この借入金を買い手様に引き継いでいただけるかどうかが不安要素でした。  


―その課題に対してどのようなアプローチを行っていたのでしょうか。

 基本的にはファンドあるいは同業の飲食業界の会社様を含めて、スピーディにリストアップし、迅速にお声がけすることが大前提としてありました。その上で入札期限を少し短めに設計しておりました。 基本的に、この規模の会社様になると、買い手様側も基本的にはプロフェッショナルな方しかいないため、債務超過や借入金に関する考え方については、買い手側にある程度ご判断いただき、ご提案をいただき基本的に進めております。  


この案件において、最も印象に残っているディールのポイントについて教えていただけますでしょうか。 

 借入金の部分です。借入金を売り手様側が負担するのか、買い手様側が負担するのか、 あるいは折衷案として売り手様が一定額を負担し、残りを買い手様に負担いただく調整を行います。 お互いに折り合えるポイントを探すことが非常に重要だったと思います。結果的にプロセスを数回まわし、1回目では 売り手様はその条件を飲まれず1回目のプロセスにおいては成約に至りませんでした。しかし、2回目において誰も買い手様がいないという状況でした。買い手様にとってもスピードが非常に重要であったため、2回目で買い手様が見つからないことがわかった段階で「ここで折れよう」という考えに至りました。


満足度の高さは、徹底した成約へのこだわり


―売り手様が最も満足したポイントはどのような点になるのでしょうか。

  成約できたことだと思います。現在のM&A市場は、買収ニーズが高まっており基本的に売り手市場な状況と思っております。 このような市場環境であっても、希望にマッチする買い手様を見つけることはそれなりに時間が掛かることもありますので、「なぜこんなに素晴らしい会社なのに、買い手がつかないのか」と感じることもあり、売り手様は神経をすり減らしながらもやもやした気持ちが続くことも多いです。 そのため、結局は成約まで導くことができたかが売り手様にとってご満足いただけるポイントであることは、いかなる案件においても変わらないのではないかと思います。 


経験の豊富さと業界理解に強み

―飲食業界のオーナー様に向けて、メッセージをお願いできますでしょうか。

  1点目は、同業界の中で一定規模の上場企業の社長様や、M&Aのキーマンの方と案件を一緒に進めた実績があることは、信用力いただける大きなポイントだと思います。2点目は、 飲食事業の企業概要書の作成や契約書の交渉、企業価値評価を通じて、 飲食事業を深く理解している点もポイントになると思います。


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