譲渡額
~1億円
売上高
非公表

人材/SES業界の事例

人材派遣業のM&Aが描いた新たな未来

エリア
関西
オーナー
60代
売却検討理由
アーリーリタイア
スキーム
株式譲渡

西下 純平

M&Aイノベーション株式会社

この案件は、人材派遣業におけるスピーディで信頼関係を重視したM&Aの成功例です。売り手オーナーの不安に対し、事業内容が一致する最適な買い手を見つけたことで、安心して事業を譲渡できました。特に株主の問題を適切に解決し、両社が満足のいく結果を得られた点が評価されています。専門家の協力を得て、慎重に進めることが成功の鍵となりました。

人材派遣業のM&Aが描いた新たな未来

ー ディールの概要を教えてください。


 売り手様は、大阪で人材派遣業を営まれている、売上高約1億円規模の会社です。
 買い手様も同じく人材派遣業を手がけており、本社は関東にあるのですが、関西にも取引先がありました。規模感としては、売上高が約5〜6億円の会社です。 

売り手オーナーが抱えていた不安と決断の背景

ー 売り手様がM&Aをご検討されていた背景を教えてください。

オーナー様である社長の女性は、実は望んで人材派遣の仕事を始めたわけではありませんでした。旦那様が事業を始められたのですが、モチベーションが低下してしまい、奥様が事業を受け継がざるを得なくなったという経緯があります。 奥様はもともとアパレルの販売員をされていたのですが、いきなり人材派遣の仕事をしなければならない状況になりました。社長業は非常に大変で、騙されるような経験もしてきたと伺っています。 そのなかで、会社も7期目を迎えて、人様にお渡ししても恥ずかしくない会社となり、「これからは自由な生活を送りたい」という思いから、譲渡をご検討するようになられました。  

ー 売り手のオーナー様は、どのような不安や課題を抱えておられたのでしょうか。

オーナー様が抱えておられた不安は、大きく2つありました。1つは、「うちみたいな規模の小さい会社を引き取ってくれるところはあるのだろうか」ということを、よくおっしゃっていました。 2つ目は、従業員の雇用です。同社ではベトナム系の方が多く働いており、そうした従業員をしっかり引き継いでもらえるのか心配されていらっしゃいました。ベトナムの人材派遣は、ベトナム人の特性や文化を理解していないと行えないため、そのあたりをきちんと対応していただけるのかが大きな不安要素になっていました。
 
 
 

M&Aイノベーション株式会社 西下様

 

スピード感あるマッチングとベストマッチの買い手

ー 売り手のオーナー様の不安を解消するために、どのような買い手様を見つけられたのでしょうか。

  実は、今回は1社しかご紹介していないのですが、その1社と無事M&Aが成立しました。買い手様は、 弊社が日頃から本当によくしていただいてる取引先です。事業内容が全く一緒だったため、売り手のオーナー社長に会社の概要等を丁寧にお話ししたところ、「1回会ってみましょう」という話になり、スピーディーに話が進んでいきました。 最初はオンラインでの面談だったのですが、「この方なら大丈夫」と 、売り手オーナー様にもすぐにご納得いただけました。その後、実際にお会いし、成約前ではありましたが、一緒にお食事も行うなかで、安心感を持っていただけたと思います。
買い手様が、今回の売り手様のような企業とのM&Aをご希望されていることは以前から把握していました。まさにベストマッチであると確信があり、スピーディーに進められたのは良かったです。 また、売り手のオーナー様は非常にお話好きな方であったため、 じっくりお話を聞きました。  

株主の複雑な事情とその解決

ー 今回の案件で難しかったことや、重要だったと思う局面はございましたか。

  株主の問題です。 この事業はもともと旦那様のコミュニティで始まったものでした。実際に、その旦那様のお知り合いの方から出資は受けていないのですが、出資を受けたというような形になっていたり、利権を主張されていたりと、様々な問題がありました。知り合いの弁護士の方にも相談して進めたのですが、この問題をどう穏便に解決するかということが、最も難しかったポイントです。 売り手様と買い手様のオーナーの相性は非常に良く、そこに関しては最初におつなぎした時から何の問題もなかったのですが、株主の問題だけが少しややこしくて苦労しました。
 

ー 最終的には特に問題が起きることなく、M&Aに進むことができたのですか。

 最終的には両社弁護士を通した話し合いを行いましたが、株式は全てオーナー様が100%保有していることにご納得いただき、穏便に本件は完了いたしました。話が穏便に収まった際にはオーナー様も大変安心されており、私も大変安心いたしました。 

ー 買い手様は売り手様のどこに惹かれてマッチングに至ったのですか。

事業面に関しては、扱っている人材や入れている企業の業種、地域が完全に一致しており、規模の拡大を図るうえで「買収したい」と思えるお相手でした。 
 もう一つは、関西エリアへの事業拡大も目指されていたため、エリアの面でも魅力を感じていただけました。
 また、社長が非常に快活で正直かつ誠実な方で、すぐに信頼できる人物だと感じていただけたことも大きかったと思います。
 
  

M&A後の安定とセカンドライフへの移行

ー M&Aを行い、売り手のオーナー様はどのような点に最も満足されておられましたか。

 安心して事業をお渡しできたことに、最も満足されておられました。 これまで勤め人として働いてきて、特に心労を感じることはなかったそうです。しかし、社長になってからは大変なことも多く、初めて体調を崩されることもあったそうです。そのなかで、「大好き」とおっしゃるほど、安心して信頼できるお相手に事業をお渡しでき、セカンドライフに移行していけることが、満足につながっていると思います。
 
 

ー M&A後のアフターストーリーをお聞かせください。

 従業員の方はそのまま雇用され、継続して働いています。オーナー様も半年ほどは残る予定で、現在は引き継ぎを進めてられている最中です。 


ー 最後に、M&Aを検討されている売り手様へメッセージをお願いします。

取引先や知り合いからの紹介で直接M&Aの取引を行い、後にトラブルに発展するケースをよく耳にします。特に人材派遣業界は怪しい会社も多いため、 鵜呑みにせず見極めることも大切です。M&Aを行う際は必ず間に業者を入れるか、入れない場合でも条件交渉等の進め方に関しては必ず専門家に相談を行い、契約書に関しても必ずM&Aに精通した弁護士に確認してもらうことをおすすめします。 また、アドバイザーを選ぶ際には、手数料もしっかり確認することが大切です。例えば自社の株価が2000万円で、最低手数料は1000万円と提示された場合、アドバイザーは買い手側からも同額、もしくはそれ以上の手数料を取っています。 
そうなると、買い手が株価2000万円の会社を、手数料1000万円を払って本当に購入するのかは疑問です。普段取引を行う際は、金額が適正であるのかなど色々と考えられると思います。同様に、M&Aにおいても業者の話を鵜呑みにするのではなく、これまでの取引のご経験とも照らし合わせながら、慎重にご検討されることをおすすめします。 
我々は中小企業の支援に特化して少額から対応しているので、ぜひお気軽にご相談ください。