本件は、調剤薬局1店舗を運営している会社の株式譲渡の案件です。
売り手のオーナー様は、私と出会う約1年前に大病を患われて、治療の目処はある程度立てていたものの、まだ治療段階で体力的にもかなりつらい状況でした。そうした背景から、事業承継を考えられていました。私と出会う前にも、2社ほど他の仲介会社とやり取りされていたそうです。そのうちの1社とは、買い手候補様とある程度具体的な交渉まで進んでいたのですが、 最終的にはブレイクしてしまったとのことでした。そんな中で、私がたまたま調剤薬局の前を通った時に「あれ、ここに調剤薬局ってあったっけ」と、なぜかとても気になり思い切ってご連絡を差し上げたことでご縁が生まれました。お話を伺うと、「体調の面や他の仲介会社さんではブレイクしてしまい、困っている」とのことでした。
当初、売り手のオーナー様は「他社さんでブレイクしてしまったので、もう自分で進めるしかない」とおっしゃっていました。そこで私は、「ご自身で進められるのであれば、僕は必要ないですね」という話をしたのですが、「いや、それは言い切れないかもしれない」とおっしゃったので、サポートさせていただくことになりました。まずは、体調がどこまで持つのか、ご自身が納得のいくパフォーマンスを保ちながら、あとどのくらいの期間仕事を続けられそうか、メンタルはどこまで持つのかといったことを、丁寧にヒアリングさせていただきました。そして、本当はどのようなお相手が望ましかったのか、一つひとつ細かくお伺いしていきました。
終盤は体調面の不安も重なり、精神的にも不安定になりやすい状況でした。もともとこのフェーズは、体調に問題のない方でも不安になったり迷われたりするポイントではあるのですが、その傾向がより強く表れていたように思います。そうしたなかで、お互いの想いや考えをしっかりと話し合い、理解し合いながら進めていけたことが、特に印象に残っています。
売り手様・買い手様の双方が、条件面について納得のいく形で話し合いを進められたことが大きかったと思います。また、売り手様が体調不安を抱えており、精神的にも不安定になりやすい状況だったのですが、そうした背景を理解し、じっくりと待ってくださる買い手様とマッチングできた点も、成功の大きな要因だったと感じています。
M&Aが終わった後に、「本当に肩の荷が下りました」とおっしゃっていただいたのが印象的でした。「本当にゆっくり過ごすことができてます」とも伺っており、その言葉にすべてが表れているのではないかと思います。
M&A後も、売り手様とはちょっとした交流が続いています。「美味しいものを食べて元気になっていただきたい」との想いで、私の好きな海産物などをお送りしたところ、お礼の言葉をいただきました。
M&Aは、売り手様にとって人生のなかでも非常に大きなポイントになるものだと思います。だからこそ、形式的な話ばかりするのではなく、双方の価値観や人となりをしっかりと理解し合いながら、最良の選択ができるようサポートできればと考えています。誠実に、そして地道に、M&Aという大きなイベントを、より良い方向に導けるように取り組んでまいります。ぜひお気軽にご相談ください。
この度のご支援は、地域の中でも評判の高い門前薬局運営会社のM&Aで、後継者不在かつオーナー様の健康状態が悪化している中での取り組みでした。オーナー様は薬剤師としても現役で、「この仕事が好き。」と笑顔で言いきる方でした。体調が優れない中でも地域や患者様のことを第一に考えていたため、その想いに応えるためにも、ご納得のいくお相手とのM&Aを早期に実現することに集中して動きました。早急にお相手探しをスタートしたところ、幸いにもその地域への進出を検討していたお相手と交渉が進み、早期のご成約となりました。
後継者問題や体調面でのご不安を抱えていらっしゃるオーナー様の未来や心が明るくなるようなご支援を心がけております。どうぞお気軽にご相談ください。