売り手様は、ダンボール等の梱包資材の製造を手がける、年商約3億円規模の会社です。買い手様は個人の方で、もともと資金はお持ちでしたが、一部資金調達をしたうえでM&Aを実行されました。 M&Aの背景としては、売り手様は65歳近い高齢の方で、後継者がいない状況にありました。また、体調不良も重なり、会社の将来について悩まれていました。従業員の雇用を守りたいという思いに加え、地元からの高い信頼を得ているメーカーであったため、事業を継続したいという思いもお持ちでした。しかし、具体的な解決策が見つからず、「どうしたらいいかわからない」と悩まれていたため、弊社がM&Aをご提案し、実行に至りました。
オーナー様は、体調不良に加え、ご高齢になりつつあることへの不安を抱えていらっしゃいました。また、買い手候補が個人の方だったため、不安の声は何度か伺っていました。
買い手候補が個人の方であることに対する不安については、何度も現地に足を運び、オーナー様と直接お話をしました。不安を感じる理由やその原因をしっかりと深掘りし、何を解消すれば、不安の解消につながるのか整理していきました。 また、資金調達計画や事業計画をしっかりと作り込み、「これで進めていけば、まず問題ない」と、売り手様の不安払拭できるところまで、コミュニケーションを取りながら進めていきました。このアプローチが、結果としては良かったと考えています。
苦労したポイントはないと言えば語弊があるかもしれませんが、ほとんどありませんでした。買い手様が個人の方だったため、金融機関からの資金調達が難航するのではないかと思っていたのですが、全く難航せず非常にスムーズに調達が実現しました。経済的な面はほぼクリアでき、その点は印象に残っています。 また、買い手候補の方が、非常に勉強熱心で熱意をお持ちだったことも印象に残っています。従業員の雇用を守りたいという強い思いをお持ちで、私から特にアドバイスをしなくても、ご自身でプレゼン資料をしっかり作成されていました。また、M&A直前に、従業員の方としっかりコミュニケーションを取っておきたいという姿勢に感動しました。売り手様のビジネスモデルの良いところはしっかりと引き継ぎ、従業員の給与を確保しながら、良い事業・会社に成長させたいという思いで譲り受けられたことが、非常に感動的で印象に残っています。実は、この会社は日経にも結構出ているような企業です。
当時は、ちょうど奥様のご出産とタイミングと重なったこともあり、買い手様は家事や育児に専念されている時期でした。過去にM&A案件を探していたことから関係者とのつながりもあり、以前より複数のM&A会社から提案を受けていたようです。 実は私も過去にご提案したことがあったのですが、残念ながらその時は成約には至りませんでした。ただ、その時のご縁もあり、育児に忙しいとは知りながら、今回の案件をご紹介したところ、「梅津さんのお話ならぜひ聞きたい」とおっしゃっていただき、機会を得ることができました。 買い手様はBtoBのビジネスモデルを希望しているとお話されていましたが、業界や業種には強いこだわりはなく、割と間口は広く買収先を探されていました。ただ、仲介するM&Aの会社に関しては、「しっかり選ぶ」とおっしゃっていました。
売り手様と買い手様の信頼関係を構築できた点が、一番の要因だと思います。ディールの最初から最後までを「見える化」したことで、結果として双方の安心感を作ることができ、信頼関係も構築できてスムーズに話を進めることができました。
日経新聞の取材を受けるなど、地元密着型の新しいことにチャレンジしている企業として注目されており、今後の成長も非常に楽しみです。また、売り手様は既にご退職されており、現在は奥様と充実した日々を過ごされていると伺っています。
将来何が起こるかわからないからこそ、M&Aを経営戦略の一つとして持っておくことは、経営者としての義務だと思います。そのことを念頭に置きながら、信頼できるM&A会社を選定して話を聞いてみることを、一つの選択肢として持っておくといいのではないかと思います。
アーク・パートナーズ合同会社
アーク・パートナーズ合同会社
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本案件では、地域に密着した梱包資材メーカーが後継者不足と体調不良に悩む中で、買い手との信頼関係を構築し、事業継続を実現しました。また、買い手様は個人でありながらも、従業員の雇用を守り、事業の成長を目指す強い意志をお持ちでした。現在は、資金調達のスムーズさやビジョンに共感した方と共に、事業の未来を切り拓いています。
本案件により、M&Aが企業にとって単なる事業譲渡ではなく、新たな成長のステップとなることを証明することができたのではないかと考えております。