売り手様は一人会社の延長で、ニッチな領域での人材紹介業を展開されていました。さらなる事業成長を目指していたものの、自己資金には限界があり、資本力のある企業との提携を模索されていました。自身のネットワークを活かして人材紹介ビジネスを展開されており、今後も続続し、飛躍のためにバックアップしてくれる企業との資本提携を希望されていました。買い手様は、過去に同様のニッチな領域での人材紹介業への参入を検討されていたものの、自社での立ち上げは難しいと判断し、一度断念されていました。しかし、今回かつて検討していた事業を実際に展開されている売り手様とのご縁があり、「ぜひ話を進めたい」とのご意向をお持ちでした。
売り手様は金融機関からの借り入れがあり、債務超過に陥っている状況で、資金的な余裕はほとんどありませんでした。また、M&A自体が初めての経験であったため、進め方や買い手候補との交渉方法が分からず、大きな不安を抱えていらっしゃいました。その点は、弊社でサポートさせていただきました。
買い手候補の探索に関しては、プラットフォームを活用して行いました。また、プラスアルファで弊社としても買い手候補のリストアップをはじめデスクリサーチや企業データの精査を行い、全国規模で幅広く候補を探し、ご提案させていただきました。
売り手様のご支援に関しては、資金的に厳しい状況もあり、短期勝負が求められる状況でした。そのため、ほぼ毎日深夜まで2〜3時間かけて振り返りや今後の施策、ネクストステップについてご相談しながら、高速でPDCAを回す形でご支援させていただきました。
当初、買い手候補様は自社で事業に参入しようとお考えでしたが、ニッチな領域で参入障壁が非常に高いビジネスモデルとなっていました。そこで、時間やアイデアを買う形で、自社では立ち上げられない事業をM&Aという手法を活用することで取り入れ、事業ポートフォリオを広げることができるという点が、決断の大きな要因だったのではないかと思います。
最も印象に残ったのは、最終的にお話がまとまり、売り手様に非常に喜んでいただけたことです。自身で事業を立ち上げ、一人会社の延長で長年ビジネスを続けてこられ、色々とご自身で抱え込まれていました。話がまとまった際に「安心して肩の荷が下りた」とおっしゃっていただいたことは、今でも強く印象に残っています。
梅津様: 売り手様と毎日しっかり振り返りを行い、今後の施策について話し合いながら、改善策を着実に実行したことが成功の大きな要因だと思います。うまくいった理由、うまくいかなかった理由を共に分析して改善し、PDCAを回し続けた結果、短期間で良い形の成約につながったのではないかと思います。 ― 今回のM&Aで、双方が満足されたポイントを教えてください。梅津様: 売り手様としては、これまで個人の延長でビジネスを続けてこられた中で、視野が広がったことが大きかったと思います。一方、買い手様に関しては、参入障壁の高い市場にM&Aというスキームを活用して参入できたことが、大きかったと思います。
買い手様からは適宜近況報告をいただいています。自社のポートフォリオの中で新たな事業の展開を模索されており、順調に進んでいるとのことです。「感謝しています」とのお言葉もいただき、大変ありがたく思っています。売り手様も、ご希望通り現在も事業に携わっていらっしゃいます。ビジネスモデルの特性上、人材紹介というニッチな領域で人と紐づいている部分が大きく、M&Aの段階では属人性を完全に排除しきれていない状況でした。そのため、売り手様が引き続き事業に関与することが必要だったという側面もあります。加えて、ご本人としても「続投したい」との意思をお持ちだったため、現在もそのまま残られています。
事業拡大を急がれている方も多いと思いますが、思うように成果が上がらないケースも少なくありません。しかし、そのような事業を必要としている買い手候補様が、思いもよらない形で見つかることもあります。もし、複合体で事業をたくさん束ねてしまい整理を検討されている方や、ポートフォリオの見直しをお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご相談ください。
アーク・パートナーズ合同会社
アーク・パートナーズ合同会社
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この案件は、資金調達が限界に達した人材紹介業の企業が、M&Aを通じて事業再生を果たした成功例です。ニッチな領域での参入障壁が高いビジネスモデルに対して、買い手がM&Aという手法を活用し、事業ポートフォリオを拡大しました。売り手様と毎日振り返りを行い、短期間でPDCAを回すサポートが功を奏しました。双方が満足する形で成約し、事業継続がスムーズに進んでいます。専門家の協力と戦略的アプローチが成功の鍵となりました。