売り手様は、九州で薬局を1店舗経営されている60歳の方でした。後継者不在の状況に加え、都市計画の影響で今後10年以内に現在の場所では経営ができなくなる可能性がありました。都市計画の発表を受けたタイミングでご相談をいただき、成約に至りました。買い手様は同じく調剤薬局を運営されている方で、九州で3店舗経営されていました。 九州の薬局を買いたいという強いニーズがあり、今回ご紹介させていただきました。
オーナー様は60歳を迎えた時点で、まだ後継者が決まっていない状況でした。そのため、当初からM&Aを視野に入れていらっしゃいました。さらに、都市計画の影響で現在の場所で経営できるのが、10年もしくはそれよりも短くなる可能性も浮上し、早急に買い手を見つけなければいけないという不安を抱えていらっしゃいました。
また、M&A成立までに従業員の退職が相次いだことが、オーナー様の一番の不安でもありストレスを感じられた部分でした。それを、解消していかなければといけないと考えていました。
他社から話を聞かれていた可能性はありますが、その点については特に何も伺っていません。当社にご相談いただき、専任契約を結んでいただきました
一番は、親身になって対応したことだと思います。M&Aの話に限らず雑談も交えて色々な話をしながら、関係性をより深めていけたことで信頼につながったのではないかと思います。
実は、退職されたのは一人だけではありませんでした。買い手様が比較的人材が豊富だったこともあり、1人目の退職の際は特に大きな問題はないと考えていました。しかし、その後も退職が相次いだことで、私自身も「これは厳しい状況になるかもしれない」と感じました。ただ、これは弊社のいいところなのですが、先輩社員はもちろん代表の駒井にも気軽に相談できる環境があります。先輩社員から「一気に人材の問題を解決する必要はなく、徐々に補填していくだけでも少しは心理的な負担を軽減できる。それで買い手様が運営できる形が整っているのであれば、問題なく成約まで進められる」と、力強いアドバイスを受けました。その助言を受けて、私もオーナー様に自信を持ってご提案させていただきました。
都市計画の話はありましたが、現時点では10年後になるのか、それより先になるのかはまだわからないような状況でした。そこで、私の方でも市役所の都市計画課に連絡をして、今後の方針や具体的な状況について詳しくヒアリングを行いました。担当者によると、都市計画上8〜10年後の実施は決定しているものの、その期間に実際に実施される可能性は低く、過去の実績や経験を踏まえると実施には10年以上はかかる可能性が高いとのことでした。理由としては、近隣の道路拡張工事を行うにしても地権者全員の同意が必要で、そのためには一軒ずつあたって交渉していく必要があるためです。買い手様にもその旨を丁寧にご説明させていただいたところ、「10年以上経営できる可能性の方が高いのであれば、この価格であれば十分回収できる」とご納得いただきました。
買い手様は自己資金に加えて融資を利用して資金調達を行う予定でしたが、実はなかなか融資が通らない 状況が続いており、私も「これはまずい」と感じていました。また、売り手のオーナー様も、近隣病院へM&Aの告知を進めていきたいと考えていたものの、進展が遅れ、不安を抱えていらっしゃいました。そこで社内で協議を重ねた結果、融資が長引いている現状を踏まえ、万が一融資が下りなかった場合の対応策を契約に盛り込むことにしました。具体的には、融資が下りなかった場合は、買い手様が譲渡価格を分割で売主様に支払う形での契約を提案し、買い手様にもご納得いただきました。売り手様は融資が長引いてることに対して大きな不安を抱えていらっしゃいましたが、この条件での契約を受け入れてくださり、なんとか成約へと結びつけることができました。
このままでは融資が下りず、M&A自体が成立しないのではないかという状況でした。しかし、買い手様は「絶対譲り受けたい」、売り手様は「お譲りしたい」と意向は一致していたため、こうした条件でご提案させていただきました。
一つは、さまざまな問題が発生した際に、先輩社員や代表にすぐに相談し、フィードバックを受けたうえで迅速に対応できたことです。 また、売り手様は色々とストレスを感じる場面もあったかと思いますが、しっかりと寄り添いながら代替案を提示し、ご納得いただけたことも一つのポイントだったと考えています。
売り手様にとって、最も不安だったのは買い手様が見つからないことでした。そうしたなかで、地域に密着されている買い手様とご縁があり、安心できる相手にお譲りできたことが最も満足されたポイントだと思います。同じ九州に拠点を持つ企業同士で共通の話題も多く、大きな安心感があったと思います。
実は、まだ融資は下りていない状況です。買い手様としても不安を感じている部分はありますが、薬局の譲渡が無事に完了したことには、大変ご満足いただいています。年明けのご挨拶をさせていただいた際も、「依頼して本当によかった、ありがとうございました」と感謝の言葉をいただきました。引き続き融資の件も含めてフォローしながら、しっかりとコミュニケーションを図っています。
調剤薬局業界はM&Aの再編が頻繁に行われ、また調剤薬局の点数改定などもあり、非常に目まぐるしく動いてる状況です。毎年の改定で、今後の経営に悩まれている方や、売り上げが下がる一方で困っている方もいらっしゃると思います。
そこに対して、M&Aが最適な選択かどうかは別として、御社の経営戦略において拡大のニーズがあれば、最適なご提案をさせていただきます。また、譲渡せざるを得ないといった状況でも、しっかりとサポートさせていただきますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。
キングスマンキャピタルパートナーズ株式会社
本案件は、後継者不在や都市計画の影響といった課題を抱えた売り手様が、信頼できる買い手様と出会い、無事に成約に至った事例です。M&A成立前に従業員の退職が相次ぐなどの想定外の事態も発生しましたが、迅速な対応と柔軟な提案で乗り越えました。
特に、買い手様の都市計画に対する不安には、市役所への確認を通じて具体的な情報を提供し、ご納得いただきました。また、融資の遅延にも契約内容を工夫することで対応し、安心して取引を進めることができました。
M&Aを検討されている調剤薬局の皆様にとって、本事例が参考になれば幸いです。状況に応じた最適なご提案をいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。