譲渡額
非公表
売上高
非公表

クリニック業界の事例

グローバルM&Aで実現する事業承継:クリニック売却で韓国企業と新たな成長

エリア
北海道・東北
オーナー
60代
売却検討理由
後継者不在
スキーム
事業譲渡

堀口 圭一

株式会社サンマルタ

高齢院長の決断:クリニックM&Aで海外企業との出会い

ー ディールの概要を教えてください。

売り手様は、クリニックを運営する医療法人です。買い手様は、国内外で30万人以上の会員を抱える韓国のアプリ開発会社です。
韓国では美容整形が非常に盛んで、例えば、就職の面接のために少し整形することも珍しくありません。文化的に整形に対するハードルが低いんです。今回は都内に整形美容クリニックを開業するため、医療法人を買収したいとお考えでした。

ー 売り手のオーナー様は、どのような理由からM&Aをご決断されたのでしょうか。

売り手の院長先生は、理事長も兼務されています。ご高齢のため引退を決意されましたが、後継者はいない状況でした。そこで、国内企業に絞らず、幅広く売却を検討されていました。

株式会社サンマルタ 堀口 圭一 氏

文化の違いを乗り越えて:グローバルM&A交渉の舞台裏

ー 今回の案件において特に難しかった局面を教えてください。 

一つは、海外企業特有の難しさがありました。買い手様の窓口担当の方は、非常にボキャブラリーが豊富でしたが、文化の違いから言葉の意味は正しくても受け取り方が異なる場面が多々ありました。今回の案件では、3〜4カ月にわたりメールで細かいやり取りを重ねましたが、一方で「これは、お互いにメリットがあるな」と感じることが少なくありませんでした。

以前、広告業界にいたとき、外資系クライアントとの仕事も膨大な経験しています。その際に学んだのは、海外企業との交渉では、日本人を相手にする際の数倍はっきりと伝える必要があるということです。日本人同士なら言葉にしなくても伝わることでも、海外の方には強く言わなければ意図が伝わりません。「日本人相手なら、このような言い方をすると嫌われるのではないか」と思うくらい率直に伝えて、ようやく「あなたはそういうことで困っているのですね」と理解してもらうことができます。また、海外の方に遠慮なく率直に伝えても、意外と嫌われないんです。変に言わない方が、「何を考えているのかわからない」と思われて嫌われます。日本人相手に強めに意見を伝えると、「何を偉そうに言っているんだ」と思われ、場合によっては交渉が破談になることもあると思います。一方で、海外の方に対しては強い口調で伝えても、正しく意図を理解してもらえると、その後はきちんと軌道修正してくれます。この違いは、面白いなと思いました。もう一つは、コミュニケーションの取り方です。会社によって異なるかもしれませんが、コロナが明けて以降、できるだけ対面せずにオンラインでやり取りを済ませる傾向が強まっているように感じます。中には、電話すらせず、すべてメールで完結させるケースもあります。契約も電子契約で行えるため、一度も対面せずにクロージングまで進むこともあります。
オンラインでのやり取りは履歴が残るというメリットもありますが、個人的には直接会って話したほうが良いのではないかと考えています。私は広告代理店出身ということもあり、何なら「一度飲まなきゃダメなんじゃないか」「飲んで初めて相手のことがわかるのではないか」とも思っています。
しかし、現在はできる限り非対面で進めていくのが主流です。今回もオンラインでのやり取りはありましたが、面談もありませんでした。一度も対面することなくM&Aが成立するのは初めての経験でした。

M&A後も続く連携:専門家との協力で実現するスムーズな事業承継

ー M&A後のアフターストーリーをお聞かせください。

本件に限らず、「アフターフォローをします。何かあればご連絡ください」ということは、必ずお伝えしています。今回は私が社労士の方をご紹介したのですが、その方とやり取りを行う際は、ccをつけて私にも内容を共有してくださっています。M&Aが完了したため現在は共有の必要はないのですが、変わらず丁寧に対応してくださっています。

ー M&Aを検討されている方へメッセージをお願いします。

私は広告代理店の出身ということもあり、「なんとかします」という気質を持っています。「これは難しいかな」と思うような案件でも、お任せいただければ、M&Aを成功へ導くためにあらゆる手を尽くしてサポートいたします。どんなことでも、まずはお気軽にご相談ください。