売り手様は地域で高評価の認可保育園を複数運営する法人様でした。買い手様は上場企業で、子会社で保育園事業をを行っている法人様でした。
子供たちへの熱い思いをお持ちの売り手様でした。売り手様は特に食育に強い関心をお持ちで、実際現場にも足を運んで見せていただきましたが、その地域でも非常に高く評価をされている園であることを訪問した際に感じ取ることができました。しかし、会計・財務を苦手とされており、全て外部の会計事務所様や税理士事務所様に任せていらっしゃいました。売り手様自身は、状況について何も理解されていない状況だったことから始まっております。その結果、黒字に見えるものの、実際の経営状況はかなり厳しいものになっておりました。当時の状況のまま運営していた場合、口コミ評価が非常に高い園でありながら、突然閉園に至っていた可能性があります。最初、売り手様のご不安は漠然としていたものだったと思います。お話をお伺いしながら、経営状況の確認を進めることで課題が見えてきた案件でした。
会計事務所様に財務資料をお取り寄せするところから始まりました。ただ、初期段階では会計事務所様も私たちに対して警戒心をお持ちでした。そのため、直接ご支援をいただくことは難しく、結果的には、売り手様を通じデータをご提供いただき、弊社側で分析を行いました。その過程で売り手様に何度もお話を伺い、最も売り手様が解決されたい課題に絞り、その絞った1点の条件を叶えるために何度も買い手様と会話を重ねました。
結果の話になってしまいますが、地域で大変高い評価を得ている保育園が存続できたことだと思っております。表向きには見えづらい点ではありますが、存続することができ、本当によかったと感じております。
弊社の支援能力をアピールしたいところですが、今回の成功は何よりも売り手様・買い手様双方の諦めない気持ちが非常に大きかったです。特に買い手様は、少しのリスクでも見つかれば、それを理由に交渉を止めることもできたはずです。しかし、買い手様の担当役員の方は、どんな小さなリスクが見つかっても強い想いでM&Aを進める方針を最後まで貫かれました。リスクが見つかった際には、具体的な対応策を検討するということを一年半かけて繰り返し実施しておりました。このような地道な努力の積み重ねが最終的にクロージングに至った大きな要因だと思います。
売り手様が解決したいことを1点に絞ったといったこと、それが解決できたこと、それから保育園の体制を変わらずにそのまま引き継ぐことができたことが最も満足していただけた点だと思います。
譲渡直後は、双方の間でのコミュニケーションが頻繁に必要でした。財務状況が思わしくなかったこともあり、「このようなこと言われましたが、どうすればいいですか?」 といったご相談もありました。しかし、それを丁寧にご理解いただき、腹落ちしていただいたことで現在は経営状態はかなり上向いているのではないかと思います。
M&A自体は経営における選択肢の一つに過ぎません。他の方法が適切であれば、弊社でも迷わずその方法をご提案させていただきます。場合によっては、その分野の専門家にお任せすることもあります。 M&Aという選択肢に限らず、まずはお気軽にご相談いただければと思います。その上でM&Aをご選択される場合には全力でご支援させていただきますので、一緒に解決策を探していきましょう。
株式会社フォーナレッジ
厳しい交渉だったように感じますが、それぞれが諦めることなく、また、成し遂げたいことに集中して会話を重ねた結果、クロージングに至ったものです。