譲渡額
非公表
売上高
非公表

保育園業界の事例

「保育園事業の新たな未来を切り拓く:オーナーの強い意志とM&Aの成功物語」

エリア
関東
オーナー
非公表
売却検討理由
事業の選択と集中
スキーム
その他

宇都宮 雄一

株式会社フォーナレッジ

売主さま、買主さま、それぞれが保育に対しての志を持つ方で、大変友好的な交渉となりました。M&Aは保育園の永続に貢献するものです。もっと積極的に活用して良いように思いますね。

買い手様の強い意志によって実現した保育園M&A

ー案件の概要について教えていただけますでしょうか。


 売り手様は都内で保育園を2園運営されており、主事業が別にある法人様でした。買い手様は、同じく関東圏で保育園を運営されており、M&Aで保育園を譲り受けたいというお気持ちが非常に強いオーナー様でした。



働き方のジレンマとM&A―保育園運営者が描く新たな一歩

ーM&Aに対する不安や課題をオーナー様は抱えていたと思いますが、オーナー様が抱えていた不安、M&Aを検討されていた背景はどのようなものだったのでしょうか?

 保育園以外の主事業があり、業績も良好な案件でした。保育園は、売り手様がご自身のお子様をきっかけに開始した事業だとお伺いしております。 当時、日本で保育園数不足が原因で入園できない方がいるというというニュースが話題になりました。このような状況を受け、売り手様は自ら保育園を設立することを決意されたそうです。その後、お子様も成長され、売り手様も年末にはサンタクロースのパフォーマンスをして園児たちと関わるなど、非常に熱心に取り組まれておりました。 ただ、本業と保育園の労働条件の格差が話題になり始めたていたそうです。このような状況の中で、保育園事業と本業のバランスが取りづらくなっており、売り手様は最終的に譲渡を検討することになったことがこの案件の始まりでした。


ーM&Aに対する不安や課題をオーナー様は抱えていたと思いますが、それに対してどのようなアプローチをされたのか教えていただけますか?

 今回の課題は2つの保育園事業のうち1つが認可保育園で、もう1つが無認可の保育園だったことでした。その中で無認可保育園の財務状況がよくない状況でした。売り手様のご希望としては、この2つの保育園を譲渡すること、本業に専念することでした。まずは、メルマガで募集をかけ、買い手様が集まったのですが面談を重ねる中で、「片方の園は不要だ」といったご意見もあり、買い手様を探し出すことに非常に時間がかかりました。メルマガだけではなく、他の手段も使うことで買い手様を見つけ出すことができた点が、弊社がご支援できた部分です。

株式会社フォーナレッジ 宇都宮様

強い意思が繋いだ未来―粘り強い取り組みが成功の鍵


ー実際にどのような買い手様と結果マッチングして成約されたのか教えていただけますでしょうか。

 買い手様は本当に真面目な方で、買いたいというお気持ちが前面に出ている方だと感じました。デューデリジェンスもほぼされず、性善説に基づき、保育園を経営する方に悪い人はいないというタイプでした。また、どんなささいな問題でも諦めず、粘り強くご対応されておりました。無認可保育園についてお話しましたが、買い手様はすぐに認可もおりると考えておられたようです。 実際、買い手様は多くの認可保育園を経営しており、実績も豊富でした。売り手様の保育園は無認可でしたが、区から補助金を受け取る形で運営されていたため、認可の取得まであと少しだと判断されていたと思います。


ーこの案件が成功した要因は、どのような点になるのでしょうか。

 買い手様の強い意志が非常に印象的でした。トップダウンで、全てを進めるという決断力があり、誰も口を挟んでこなかった点が特徴的でした。他の案件では、部下の方や会計士、税理士の方がリスクを指摘することが一般的ですが、M&Aには当然リスクがつきものです。それをどう乗り越えるかが重要だということを買い手様ご自身がしっかりと理解しており、強い想いで臨まれておりました。弊社の支援がほとんど必要ない状態だったといえます。



ー売り手のオーナー様が最も満足されたのはどのような点だったのでしょうか。

 事業を引き継いだ際、認可の引き継ぎが大変でした。別の案件では、株式譲渡だったため、認可の再取得が不要でしたが、今回は事業譲渡だったため、再認可を進めるプロセスが非常に手間がかかり、思った以上に大変でした。弊社がよくご提案する会社分割の方法もご提案させていただいたのですが、認可に関しては会社分割の利用ができなかったため、他の手段を考えることになりました。その中で、弊社の担当者が保育園の名刺を持ち、国にご相談しに行ったりし、認可の引き継ぎをなんとか突破することができました。このことが、成約にも繋がったと感じております。



買い手の強い意志と、保育園事業の引き継ぎ後のアフターストーリー


ーオーナー様とのアフターストーリーがございましたら、教えてください。

 買い手様は順調に保育園数を増やしており、うまくいってるというお話は聞いております。区からM&Aに関しておかしなことを言われたみたいなご相談はあったのですが、M&A自体について、行政の理解がまだ薄い印象だと感じられていたようです。


ー今後、保育園のM&Aを考えてる事業者の方に向けてメッセージをお願いします。

 業績が悪いと譲渡できないと思われている方も多いですが、仮に債務超過であってもPL(損益計算書)で赤字になっていたとしても、打てる手はあります。例えば借入金や、帳尻合わせで運営していた部分で、削減できる経費が出てきます。経費を削減することで、利益が高まり、最終的に企業の数字を改善することも可能です。これらの改善策を継続していくことで、買い手様にとって魅力的な数字や情報もご提案することができるようになるため、諦めずまずはご相談いただきたいです。


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