まず、今年8月にクロージングをした宅配弁当事業の案件です。売り手様はネット広告業です。買い手様は、株式会社クラダシ様という賞味期限切れ間近なものを買い取って再販するという東証グロースの会社です。今回、売り手様がネット広告もやっておりましたので、会社分割を使ったスキームで譲渡価格は適時開示通りの5億円というディールでした。
売り手様の本業は広告業ですが、数年前に「自分たちで商材を持ったら、色々と売れるのではないか」という仮説のもと、宅配弁当事業に参入されました。ネットを活用して集客し、製造業者に発注を行い、製造業者が発送を行う形で運営している状況でした。売り手様は、集客だけに注力している状況のため稼働も1－2名体制で実施し、その結果、年間約1億円程度の利益を出されておりました。 この点を踏まえると、売り手様は「売らざるを得ない」という状況ではありませんでした。自らで、収益をさらに伸ばすのではなく、新規事業に取り組みたいという意向が強かったようです。そのため、良い買い手様が見つかれば売りたいという状況でした。
ポイントは2点あります。価格、つまり自分たちの事業に対する評価と、その事業を大切にして伸ばしていただけるかという2点というのが売り手様の想いだったと思います。
弊社は買い手側のFA（ファイナンシャルアドバイザー）として対応をしておりますが、売り手様側のFAとは、私の前職である株式会社ジー・コミュニケーション時代から面識があり、15年来の付き合いがございました。そのため、「このような会社を経営している人がいて、事業売却のニーズがあるが、興味のある会社はないか」とご連絡をいただき、スタートしたのがきっかけです。この案件のスタート時点では、IMや資料、ノンネームシートなども整っていない状態でした。
また一方で、この買い手様の株式会社クラダシ社様とのご縁も15年来のお知り合いからのご紹介でした。 最近、東京で上場した元気な会社があるとご紹介いただいたのが現在の株式会社クラダシ代表取締役CEOである河村氏です。 当時は取締役でご挨拶に伺い、会話の中で「実はこのような案件があるのですが、ご興味あるでしょうか？」と、お話させていただいたところ、ご興味をお持ちいただきました。その後、話はスムーズに進み、トントン拍子でご契約した本当に縁と縁が繋がった案件です。
このディールに関しては、特に障壁があったわけではありませんが、最初の売主様・買主様のトップ面談が非常に和やかだったことが印象的でした。売主様は「最初から株式会社クラダシ社に引き継いでほしい」と思っていたということを最後に行われた打ち上げの飲み会でお話されておりました。本当にWin-Winのディールだったのではないかと思います。
譲渡後も、広告、宣伝、マーケティング、プロモーション部分は、今も売主様が関わって本業の業務として行っていると聞いております。そのような意味でも有効的なM＆Aだったということを実感しております。
赤字や債務超過、規模が小さいといった理由で会社や事業の売却をそもそも諦めているケースが多いと思います。
また、M＆A業者の報酬が高くてご相談できないといったことをよく聞くのも事実です。そのような時に弊社株式会社フォーナレッジにご相談いただければ、微力ですがやれることは精一杯対応させていただきますので、気軽にご相談いただければ幸いです。
株式会社フォーナレッジ
この案件は、宅配弁当事業のM&Aにおいて、Win-Winの結果を生んだ成功例です。売り手様が新規事業に取り組む意向を持ちながら、買い手様が事業拡大を目指す中で、相互のニーズが一致しました。双方のトップ面談が和やかに進み、信頼関係が構築されました。売り手様が引き続き広告やマーケティングに関与することで、スムーズな事業継続が実現し、双方にとって有益なM&Aとなりました。専門家の協力と信頼関係が成功の鍵となった事例です。