この案件は約4年前、令和2年の案件で日本酒の酒造会社様の事例です。売り手様は茨城県にある企業様で、主にブライダルやブライダルギフトをされている会社様です。買主様は東京に拠点を構え、シンガポール資本が入っている企業様でした。スキームは事業譲渡で、金額は数千万で調整されました。弊社は、売り手様側FA(ファイナンシャルアドバイザー)の立場でした。
売り手様は、当初はブライダルギフト事業を手掛けておりました。ブライダルギフトの一部に日本酒を使用した商品があり、もともとは他社から仕入れたものを使用していました。ブライダルギフトで日本酒が人気ということで、酒蔵を買い取り自社製造をするに至りました。しかし、コロナ禍以前から結婚式をあげない方が増え、ブライダル業界全体が厳しい状態になっていました。これによりブライダルギフト事業の業績が悪化とともに酒蔵としての収益も悪くなっている状況でした。
売り手様が最終的にM&Aを選んだ理由は、酒蔵事業が会社として現金化できる数が少ない事業だったため、実質的には売らざるを得なかったという状況でした。本業での業績悪化が続き、裁判への費用や弁護士費用など、会社の整理に必要な費用を賄うための資金を調達する目的で酒蔵事業の売却が行われました。
酒蔵案件に関する反応はとても多く、海外を含めて50社以上が関心を示していただきました。海外の企業様が5社、6社程度関心を持っていたことも確かです。酒蔵が非常に関心がある事業だということを感じました。
弊社の買い手様の探し方として、匿名の概要書(ノーネームシート)をメーリングリストに配信する方法を活用しています。このリストは現在6,000名を超える規模となっており、それが結果としてスポンサーを引き寄せる要因となっております。 また、スポンサーが決まった後は、債務整理に強い弁護士の方が、金融機関への対応や酒造免許の移転といった非常に重要な手続きを進めてくださいました。税務署の対応含め、弁護士の方のサポートを十分に受けることができたことが成功の要因のひとつではないかと思います。
破産にはなりましたが酒蔵事業が事業承継ができ、当時お酒の作り手である杜氏だった売り手様の息子様が買い手様の元で現状も代表取締役として、現在もお酒を作ってる点が売り手様にも喜んでいただけたのではないかと思います。
売り手様は、現在もブライダルギフト事業の一部を引き継いで運営されております。事業が後世に引き継がれているという意味で、非常に価値があったのではないかと思います。
また、M&A業者の報酬が高くてご相談できないといったことをよく聞くのも事実です。そのような時に弊社株式会社フォーナレッジにご相談いただければ、微力ですがやれることは精一杯対応させていただきますので、気軽にご相談いただければ幸いです。
株式会社フォーナレッジ
この案件は、酒蔵事業のM&Aにおいて、売り手の想いを引き継ぐ成功例です。売り手様が事業継続の難しさからM&Aを選び、最適な買い手を見つけたことで、酒蔵事業が後世に引き継がれました。特に、売り手様の息子様が買い手様の元で酒造りを続けている点が評価されています。各専門家のサポートを受けながら進めることで、スムーズな事業承継が実現し、双方にとって有益なM&Aとなりました。