譲渡額
非公表
売上高
非公表

卸売業業界の事例

電材卸売業のM&A成功事例:後継者不在と債務超過を乗り越えて-

エリア
関西
オーナー
80代
売却検討理由
後継者不在
スキーム
株式譲渡

磯村 崇

株式会社コスモスコンサルティング

関西に拠点を置く電材卸業と東海地方の同業企業によるM&A案件になります。売り手の債務超過にもかかわらず、買い手の営業力により業績改善が実現しました。売り手代表者の本音を聞き取る食事会が成約の決め手となり、相互理解が成功のカギとなりました。

案件の背景と概要

-案件の概要について教えてください

 売り手様は、関西に拠点を置く業歴70年の電材卸業で、年商10億円、利益はほとんど出ておらず、過去の債務があるため債務超過の状態でした。加えて、 売り手代表者様が80代と高齢であったことから売却を検討していました。代表者とは別にオーナー様がいて、オーナー様はグループ会社で複数事業を展開しているうちの一つの事業でした。  買い手様は売り手様と同業で、年商50億円程の東海地方の企業様でした。売り手様と同じ会社の代理店とも取引があり、他にもいくつか代理店を運営しているため、売上規模は売り手様より大きかったです。

案件のきっかけと印象に残っている出来事とは

-案件のきっかけや印象に残った出来事について教えてください

 買い手様から、具体的な企業名で売り手様となる代理店を買収したいとご相談をいただきました。売り手様と買い手様は同じ代理店同士で少し面識があるという状況でした。 買い手様のご希望により、売り手様、買い手様、弊社の三者での食事会を設けた際のことです。売り手様は、過去に後継者の育成を行ったことがございましたが、その方が退職されたため、やむを得ず代表を続けておられる状況でした。雇われ社長であったということもあり、早く会社を引退したいというお気持ちでいらっしゃったそうです。 この三者の食事会を通じて、売り手様の本音をお聞きすることができました。買い手様はこれをお聞きになり、是非とも事業を引き継がせていただきたいと申し出られたことで、案件が大きく前進したことが印象に残っています。

アフターストーリーと成約した要因とは 

-本案件が成約したポイントとアフターストリー

 売り手様は約1億円の債務超過がありましたが、買い手様が営業力に自信をお持ちのため、債務超過に関してあまり気にされていませんでした。売り手様とM&Aを実行することによってエリアを拡大することができました。 M&A実行前、利益が出ていない状態でしたが、現在では利益を出すことができ、業績が大幅に改善しました。このことからも、両者にとって良いM&Aになったといえると思います。 

コスモスコンサルティング株式会社 磯村様

-成約した要因を教えてください

売り手様が主要拠点に事業所を持っていたこと、買い手様の商品ラインナップが豊富で、販売方法も熟知していたということから、エリア拡大を考える買い手様にとって非常に魅力的な売り手様でした。このことが本件が成約した要因であったと思います。 

同業種や債務超過を抱えている経営者様へのメッセージ

-同業種でM&Aを検討されている方へのメッセージをお願いします

債務超過の会社様のM&Aは基本的におすすめはしておりません。しかしながら、買い手様がその良さを見出し、発展させることができる場合には、積極的にM&Aを行ってよいと考えています。その際には、私どももお力添えできることがあると思いますので、ぜひお声かけください。