民事再生からの逆転劇：スポンサー戦略で企業を救った成功の秘訣

再生の救世主、スポンサー探しで支えた成功の秘訣

ー案件の概要について教えていただけますでしょうか。

売り手様は、東京で経営されている40代の方でした。当初は、売却をお考えではありませんでしたが民事再生の必要性をお話したことで、事業譲渡を行うことになった案件です。買い手様は、埼玉県の小売・流通業を営まれている上場企業様でした。譲渡価格が約1.2億円の案件です。
私はターンアラウンドマネージャーとして携わりました。具体的には、企業再生のためにスポンサーを見つける作業を行いました。決済の期限が迫っており、このまま成り行きで進めば破産してしまう可能性が高い状況でした。そのため、決済回避のために私的整理の一環として民事再生を選択し、その中でスポンサー企業様を見つけました。私がこの案件に関わり始めた11月1日から現在の12月22日までに必要なすべての作業を一気に進めました。民事再生の明細が完了した後の債権者集会にも私自身がターンアラウンドマネージャーとして登壇し、進行をサポートいたしました。
今回の対象企業様は業界内でも非常に有名な存在でした。それもあり、スポンサー企業様を見つけるハードルが低かったと言えるかもしれません。例えば、船井電機株式会社様がスポンサーとして関与した過去の事例がありますが、今回のケースもそれに近いものでした。スポンサーとして参画いただいた企業様も知名度が高かったことがポイントでした。
コンサルティングや再生専門の立場から見ると、通常のM&A業務とは少し異なる点が多いと思うのですが、このインタビューをご覧になっている売り手様には、「再生案件に対応できる会社である」ということを知っていただければ幸いです。

売り手様の不安を乗り越えた力強い決断

ーオーナー様が抱えていた不安、課題、Ｍ＆Ａを検討された背景はどのようなものだったのでしょうか？

会社売却後、オーナー様ご自身の仕事がなくなることでした。

ーオーナー様・M＆Aに対してどのようなアプローチをされたのか教えていただけますか？

民事再生のため、オーナー様が代表を継続できるかどうかは、スポンサー様次第とお話させていただいておりました。また、個人的に借り入れていた資金の返済が必要でしたが、これに関しては返済でき、よかったと感じております。

ー印象に残っているエピソードについて教えていただけますか？

印象に残っているのは、非常に厳しいスケジュールの中で対応を迫られた点です。申し立てを行った直後から、取引先の皆様から連絡がすぐに入ってきたことが特に印象的でした。

ーこの案件が成功した要因は、どのような点になるのでしょうか。

成功した要因としては、関係者全員が一丸となって取り組んだことが挙げられます。自分自身も事業を残すために全力で動きました。もちろん、自分自身のことを褒めるのは控えたいのですが、この案件に関しては事業を残すために本当に必死だったと思います。また、20代の若い社員である非常に優秀な女性社員や他のメンバーの存在が非常に大きかったです。彼らが「会社を残したい」という強い意志を持って取り組んでくれたおかげで、取引先やスポンサー企業様からも信頼を得ることができました。私はどちらかというと裏方としてサポートに徹していましたが、彼らの努力があったからこそ、この案件を成功に導けたのだと感じております。

厳しい環境を乗り越えたアフターストーリー

ー売り手のオーナー様が最も満足されたのはどのような点だったのでしょうか。

売り手のオーナー様が最も満足されたのは、会社がしっかりと継続しているという点だと思います。屋号が残り、100年企業の傘下で事業が継続できて大変喜ばれていました。私が携わった段階では取引先がわずか5、6社、多くても7、8社ほどしかありませんでした。それを超える企業様とお取引を継続できていることが、オーナー様にとって大きな安心材料になっていると思います。

ーオーナー様とのアフターストーリーがございましたら、教えてください。

会社の社員の方たちにとても感謝していただいたことです。

会社を残すために、再生の道を選んだ覚悟の一言

ーM&Aをご検討されている方々へアドバイス・メッセージをお願いします。

赤字でも弊社が関わることによって利益を上げることは可能です。 諦めずに一緒に経営再建し、スポンサー企業様を一緒に探しましょう。