本件は、動物病院同士のM&Aです。業界の動向として、近年動物病院のグループ化、大規模化が進んでいる状況です。中長期的に見ると資本力のある企業の方が、採用や仕入れも含めてコスト競争や経営を有利に進めることができる中で、地域の小規模の動物病院は一定の将来的な不安を抱えているのが現状です。今回の売り手様は、複数の動物病院を運営し、経営は順調でした。しかし、今後の成長を考えたときに、「大手企業と提携することで、よりスピード感を持って成長できるのではないか」と判断され、譲渡を決断されました。
経営状態は良好でございましたが、会社の将来を考えた際、業界全体の傾向として、大手の方が資本力や採用、コスト競争の面で優位に立っている中で、「大手と一緒になった方がよいのか、今のまま独立系として経営していく方が良いのか」悩まれているご状況でした。
動物病院の買い手候補は、IT業界など他の業種と比べてそれほど多くありません。おそらく、弊社は国内の動物病院の買い手をほぼ網羅していると思います。その中で、買い手候補をリストアップして売り手様の希望に沿って、ネームクリアを得られた候補にのみアプローチを行いました。
買い手様は、近年M&Aでグループを拡大している動物病院グループです。当時、売り手様が展開していたエリアでの新規出店を検討されており、タイミング的にも戦略的にも非常に良いマッチングだったと思います。
特に印象的だったのは、動物病院の譲渡案件で一般的に採用される価格目線よりも高い評価で成約に至った点です。売り手様が展開しているエリアは買い手様にとって非常に魅力的であり、さらに規模感も含めて買い手様のニーズに合致する会社であったため、このような形での成約が実現しました。 ― 今回の案件が成功した要因はどこにあると思われますか。渡邊様:売り手のオーナー様はまだ40代で、必ずしも譲渡が必要な状況ではありませんでした。そのような背景もあり、ご満足いただける譲渡価格を提示いただける買い手様とのマッチングが、実現できた点だと思います。 ― 売り手様が最も満足されたポイントを教えてください。渡邊様:条件面にはご満足いただけたと思います。さらに、買い手様が大手企業であったため、「この会社であれば、単独で経営を続けるよりも、より速い成長スピードで自社を大きくできる」と確信いただけたと思います。
売り手のオーナー様はM&A後も引き続き会社に残り、現在はエリア統括という形で他社とのM&Aにも携わりながらご活躍されています。新しい環境にもうまく馴染み、思い描いていた通りに事業を進められているようです。
動物病院の先生方は、クリニックの経営と診療の両方を担われていることが多いかと思います。しかし、経営の負担は決して軽いものではなく、クリニックの数が増えるほど、その負担は当然大きくなります。そのような中で、大手と一緒になることで経営の負担はなくなり、本来の診療業務に集中できる環境が整います。こうした課題を解決するために、M&Aは有力な選択肢の一つになると思います。
株式会社ジャーニーズ
株式会社ジャーニーズ
今回のM&Aは、動物病院業界のグループ化と大規模化の流れを踏まえた戦略的な譲渡となりました。売り手様が展開されていたエリアが買い手様にとって非常に魅力的であり、結果として一般的な譲渡価格を上回る条件で成約に至りました。