譲渡額
5億円~10億円
売上高
非公表

調剤薬局業界の事例

薬局M&A成功事例:希望価格で実現!上場企業との連携で新たな成長へ

エリア
関西
オーナー
50代
売却検討理由
その他
スキーム
株式譲渡

日髙 雅哉

株式会社リーディング

売主さまは実質的には黒字経営していましたが、新規店舗展開が加速して、企業は債務超過に陥っていました。
資金繰りの観点から売却を急がれていましたため、複数のアドバイザーにご相談されていらっしゃり、当社は後発組で紹介できる先は限られていました。
しかし、譲受先上場企業とは複数実績があり、譲受ニーズを様々な角度から掴んでおりましたため、最適な提案ができ、マッチングができました。

経営環境の変化:薬局オーナーがM&Aを決断した理由

ー ディールの概要を教えてください。

売り手様は関西で複数店舗運営されている薬局の売り手様で、買い手様は全国的に薬局を展開する上場企業です。売り手様は50代とまだお若く、お子様も3人いらっしゃり、後継者として会社を任せられる方はいました。しかし、約2〜3年前に30店舗ほどを売却した影響で、現在は債務超過に陥ってしまっている状況でした。さらに、出店計画やプライベートでの支出がかさんでいたこともあり、自身で経営を続けていくのは難しくなっていました。加えて、薬局業界では2年ごとに報酬改定が行われており、経営環境はますます厳しくなっていました。これも売り手様が譲渡を決断した理由の一つです。買い手様としても利益率が下がっていくなかではあったのですが、同社にとって手薄なエリアだったこともあり、色々と連携も取りやすくなると判断されて買収を決断されました。


ー 売り手様は、どのような不安や課題からM&Aを検討されていたのでしょうか。

一番の課題は資金繰りでした。会社全体としても店舗単位でも赤字ではありませんでしたが、業界全体にも関わる報酬改定が懸念材料となっていました。「従来の経営スタイルのままではなく、創意工夫をしていかないと点数を与えない」という厚労省からのメッセージが込められた報酬改定の施行が、M&Aを検討する一番の要因になったと思います。

事業規模も縮小されていた中で、薬局以外に不動産や訪問看護ステーション等を手がけられていたこともあり、「薬局の運営はプロに任せよう」と判断されたようです。

株式会社リーディング 日髙 雅哉 氏

高額譲渡の秘訣:業界特化アドバイザーの戦略

ー そのような不安や課題に対して、アドバイザーとしてどのようなサポートをされましたか。

売り手様は過去に一度エグジットを経験しており、2回目の売却ということでM&Aには慣れていらっしゃいました。特に譲渡金額には強いこだわりをお持ちで、バリエーションをしてもなかなか届かないような金額ではありましたが、「なんとか希望金額で買い手を探してほしい」というご要望がありました。また、他の仲介会社にもご相談をされており、買い手探しには最もリソースを割きました。

ー 今回の案件で印象に残っているポイントや、難しかった局面を教えてください。

売り手様は、複数のFAやアドバイザーにご相談されていました。各社案件を取りたい気持ちは同じで、「弊社ならこの金額で買い手を見つけます」など様々な提案が行われ、結果として売り手様の目線が自然と上がってしまう状況でした。各社が専任契約を取りたいと考える中で、売り手様は非専任契約のメリットを十分に理解されていたため非専任契約を結ばれていましたが、目線が上がってしまった点が最も難しいポイントでした。そのなかで、強い買い手を見つけられたことが、成約の決め手になったと思います。また、様々な角度から提案できたことも良かった点です。最終的には株式譲渡で売却が決まりましたが、売り手様が複数の店舗を所有されており、それぞれエリアや規模が異なっていたため、3つほどのエリアに分けて事業譲渡の提案を行いました。各エリアに興味をお持ちいただけるような形で提案できたことが、売り手様との距離を縮めるきっかけになったと思います。買い手となった上場企業も、最初は事業譲渡で「この店舗とこの店舗だけ買いたい」とのお話でしたが、話が進むなかで最終的に株式譲渡での成約に至りました。選択肢を広げて提案できたことは良かったと思います。

ー 今回の案件が成功した要因はどこにあると思われますか。

買い手様にとってはどうしても欲しいエリアであったため、その点を強くアピールできたことが大きな要因だと思います。また、買い手様は上場企業で本社経費や売り手企業では発生しないよう経費がかかってしまうこともあり、売り手様の希望価格はEBITDAの約20倍に達していたそうです。それでも、このエリアをどうしても手に入れたいということで、社長の鶴の一声で売り手様の希望通りの金額で成約に至りました。

ー 今回のM&Aで、売り手の売り手様が満足されたポイントを教えてください。

一番満足いただいたのは、希望価格が受け入れられたことだと思います。また、売り手様は現在も同業界で活躍されており、上場企業に売却できたことを非常に喜ばれていました。上場企業に買っていただくということは、それなりの基準を満たした企業であることを意味します。そのような企業をゼロから作り上げられたことは、売り手様にとって大きな誇りとなったと思います。



M&A後の展開:新たな事業への挑戦と継続的な関係

ー M&A後のアフターストーリーをお聞かせください。

私は大阪難波のロータリークラブに所属しているのですが、当時売り手様は兵庫県のとあるロータリークラブの会長をされており、互いのロータリークラブでお話をさせていただいたこともありました。当社でのM&Aを経てご満足いただけたことから、その後もM&Aを検討されている経営者の方々をご紹介いただくことがあり、大変ありがたく思っています。現在でも年に数回、食事を共にするなど、良好な関係が続いています。また、ビジネス面でもつながりを持たせていただいています。売り手様は若くして2回の売却を経験し、「今後新たに事業を始めたい」というようなお話をされていました。そこで、業務提携のような形で、当社が提携している税理士の先生をご紹介し、成約した際には一定の還元を行う形で契約をさせていただいています。


ー 今後M&Aを検討されている売り手様にメッセージをお願いします。

今回の案件では、上場企業も参入する中で、EBITDAの20倍という通常では考えられないような条件で成約に至りました。これは様々な角度から提案を行ったことに加え、当社がヘルスケア業界に特化している部分があり、バリュエーションやリスク管理に強みを持っているからこそ実現できた結果だと考えています。今後もこの成功事例を活かしながら、M&Aを検討されている経営者の皆さまのお役に立てるように、譲渡のご支援ができればと思います。